処方名:当帰芍薬散
読み仮名:とうきしゃくやくさん
●昔から当芍美人という言葉がある位で、色白やせ型なで肩で、冷え症の虚弱タイプに用います。
●冷え症で、貧血の有無にはあまりこだわる必要はありません。
?産前(妊娠中)産後の保健薬、早流産の予防薬などに使用されます。
?浮腫のために足が太く、お尻が大きく筋肉が軟弱で疲労感を訴える方。
?冷えると小便の回数が多く膀胱炎になりやすい方。時にはむくむことがある方。
?生理痛、生理不順、腰痛、下腹部の不快感を訴える方。
?しみ、ニキビのできやすい方。
●東洋 当帰芍薬散料 エキス細粒(医療用)は、比較的体力が乏しく、冷え症で貧血の傾向があって疲れやすい方に用いられる漢方薬で、月経不順、月経異常、更年期障害などの症状でお悩みの方に効果があります。また、上記のタイプの方の足腰の冷えや腰痛といった症状にも用いられます。
●特に「瘀血(おけつ)による冷え」を解消するのが、当帰芍薬散の最大の特徴です。
●本剤は、漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)(後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく錠剤または顆粒剤としたものです。
●本方は6種類の生薬から成り、主薬である当帰、芍薬の名をとって方剤名とされました。
●生理不順、足腰の冷え症の漢方薬です。
●貧血、腹痛、めまい、全身倦怠感、月経不順、生理痛などがある者に使用します。血虚と水道(痰飲)により多彩な症状が起こります。
●全体として、血虚を補う薬味と補脾及び利水剤が配剤されていて、「血虚、脾虚湿盛」に対する方剤になっています。
主 治
肝鬱脾虚(月経困難症)
【適応症】自律神経失調症、更年期症候群(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、貧血、月経不順、浮腫、慢性腎炎、習慣性流産、妊娠浮腫、月経困難、不妊症、動悸、脚気、半身不随、心臓弁膜症、心臓衰弱、腎臓病、産前産後あるいは流産による貧血症、痔核、脱肛、つわり、月経痛、更年期神経痛、にきび、しみ、血圧異常、耳鳴り、ヒステリー、妊娠腎、帯下、冷え症、腰痛、坐骨神経痛、各種婦人科疾患の補助療法、産前産後あるいは流産による障害時の疲労倦怠、回復促進、足腰の冷え症、しもやけ、子宮内膜炎、流産予防、妊娠中毒症の予防、妊娠腎、萎縮腎、肝斑、湿疹、パセドー氏病、不整脈、高血圧、低血圧、婦人血の道症。
効能・効果
比較的体力が乏しく、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳なり、動悸などを訴える次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ
成 分
本剤7.5g中
日局トウキ6.0g、
日局センキュウ5.0g、
日局シャクヤク3.0g、
日局ブクリョウ3.0g、
日局ビャクジュツ3.0g、
日局タクシャ2.0g
上記の混合生薬より抽出した当帰芍薬散料の水製エキス4.2ggを含有する。 本剤は、当帰芍薬散料の水製エキスに賦形剤(トウモロコシデンプン)を加えて製したものである。
使用方法
通常、大人1日3回、1回2.5g(1包)を空腹時経口投与 年齢症状により適宜増減する。
使用上の注意事項
慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)
1.著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等があらわれることがある。]
2.食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
2.他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。
【妊娠・授乳の注意
●安産の薬です。安胎薬として、妊娠時にもよく用いられます。
●切迫、流・早産の下腹部痛の場合に使用されます。
●妊娠中の貧血の場合によく使用されます。
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