6. 温裏剤(おんりざい)

体内(裏証)を温める方剤です(温法)。裏寒 証に対し、温めながら、寒邪 を取り去ったり、陽気を補ったりする治療法です。

冷え症寒邪陽虚

6.1 温中祛寒剤(おんちゅうきょかんざい)

中焦(用語説明)の冷えに用いますよ!。

方剤名 証 と 主治 効能・効果
人参湯(理中丸)
 
証:脾胃虚寒証
胃腸機能低下・急性・慢性胃腸カタル・胃アトニー症・胃拡張・悪阻(つわり)・萎縮腎
食欲不振冷え性
附子人参湯(附子理中丸)
 
証:脾胃虚寒証
虚寒型胃腸疾患による嘔吐と下痢
下痢嘔吐

呉茱萸湯
 
証:胃虚寒(胃気虚・胃気虚寒)
風寒型頭痛・嘔吐
嘔吐頭痛

小建中湯
 
証: 脾胃虚寒証
小児虚弱体質・小児夜尿症・夜なき・神経質・慢性胃腸炎・疲労倦怠


大建中湯
 
証: 脾陽虚証
腹部冷え腹痛・腹部膨満感・軟便性便秘・大腸手術後腸の癒着防止
便秘腹痛

黄耆建中湯
 
証:脾陽虚証
慢性消化器病・虚弱体質・病後の衰弱・ねあせ
帰耆建中湯
 
証:気血両虚(気血不足)証
浸潤性・潰瘍性皮膚疾患
 
安中散
 
証:食滞胃脘(胃中停食)・脾陽虚(脾陽不振・脾陽虚弱・脾胃虚寒) ・胃寒(寒痛)証
脾陽型の胃痛(慢性潰瘍など)


安中散加茯苓
 
証:食滞胃脘(胃中停食) ・脾陽虚(脾陽不振・脾陽虚弱・脾胃虚寒) ・胃寒(寒痛)証
脾陽型の胃痛(慢性潰瘍など)


桂枝加芍薬湯
 
証:表寒虚証
腸痙攣(けいれん)・腹痛
腹痛

桂枝加芍薬大黄湯
 
証:太陰病証
1.急性腸炎・大腸カタル・2.常習便秘・宿便・しぶり腹
便秘

桂枝人参湯
 
証:心陽虚 ・脾肺気虚証 ・脾陽虚(脾陽不振・脾陽虚弱・脾胃虚寒)
頭痛・動悸・慢性胃腸炎・胃アトニーに
頭痛

当帰建中湯
 
証:血虚証
月経痛・下腹部痛・痔・脱肛の痛み
生理

当帰湯
 
証:血虚証
寒虚証の方の胸背痛(狭心症・肋間神経痛など)
附子
 
陽を補い・冷えを除き・痛みやしびれを止る
冷え性

 

6.2 回陽救逆剤(かいようきゅうぎゃくざい)

冷えによる意識障害に用います。

方剤名 証 と 主治 効能・効果
四逆湯

証:少陰病でみられる虚寒証 →  少陰病の寒証
四肢の冷え・寒がる・縮こまって寝る・元気がなくうとうとする・嘔吐・腹痛・不消化下痢(泄瀉)
下痢嘔吐腹痛冷え性

6.3 温経散寒剤(おんけいさんかんざい)

経絡(用語説明)の冷えに用います。

経絡の冷え 冷え性

方剤名 証 と 主治 効能・効果
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 証:寒滞肝脈(寒疝)兼血虚 → 寒滞肝脈(寒疝) ・血虚
四肢冷え・片頭痛・しもやけ・下腹部痛・腰痛
冷え性腰痛
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