気虚の状態を三か月で改善
〔●患者〕
五十四歳の主婦。
〔●症状〕
昭和三十九年から年1~2回めまいがあり、ある病院でメ二エ-ル症候群と診断される。
肩こり、全身倦怠、吐き気があり、歩<とフラフラするという状態が統<。
その後、半夏厚朴湯なとを服用し、自律訓練法を続けて、寝こむことはなくなった。
しかし、昭和六十一年ごろから、まぶたが重く、歩行時フラフラし、動悸があり、眼科で眼精疲労といわれたとのこと。
〔●特徴〕
私どもでの初診は昨年十月三十日。CMI(健康調査票)のデータをみても、やや神経症的で、自律神経失調型でした。
血圧は154~86で、検尿正常、脈は沈んでおり、舌は舌苔なし。
腹部軟弱で、膀傍に動悸、下腹部に圧痛点を認めた。
胃が骨盤にまで下がっている胃下垂痘で、胃部に振水音があり、寒がりで足が冷える。
気をつかうと体調が狂いやすく、毎年、春秋に悪化するといいます。
そこで、気虚(元気が全身的に不足し、胃腸機能が低下し体力気力のない状態)、痰飲(水の異常があり、体液の分布など病的な状態)があると考えました。
〔●治療経過〕
気虚に対して補中益気湯、痰飲に対して、苓桂朮甘湯を投与。
十一月初め、肩二.り、肯痛、動悸をきたし、背部に荷物を背負っている感じである、と訴えました。
また、めまいがし、頭がフラフラして近くの医者で高血圧を指摘されたとのこと。
そこて、補中益気湯を一時中止し、苓桂朮甘湯のみで、しばらく観察しました。
その後、増悪、軽快を繰り返しながら改善に向かい、今年一月末、血圧144~86と落ち着き、体重も初診時の42~46キロとなる。
まだ眼瞼の重い感じは残っているが、フラフラ感はずっとなく、動悸も消失し、体調は良好です。
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