病例・症例

胃癌から起こった腹膜炎

摘出不能の患者も元気回復

/〔●患者〕
五十一歳の自営業の男性。

〔●症状〕
昨年六月ごろから体重減少と血便がありながら放置していました。
八月、吐血、下血を認めるようになり、他院で受診、胃癌と診断され、手術しました。
癌は胃体部から噴門におよび、摘出不能で、回腸とs状結腸を結ぶ手術をしただけでした。
術後、微熱と、ひどい寝汗・下痢が続き、全身状態不良。
家族の意向で漢方治療を求めて昨年十一月、当院に入院しました。
このとき、家族が、癌であることを思者に告げましたが、とくに動揺はありませんでした。

〔●特徴〕
顔面は蒼白で貧血著明。腹部はやや膨らんでいるが、肝臓は触れない。
右に胸脇苦満があり腹壁の抵抗も弱い。
腹部圧迫感が強く背筋を伸ばすことができず、歩行もやっと、救いは少し食べられることでした。
脈は沈、細。舌は淡白黒燥苔。そこで肝経寒虚症と診断しました。

〔●治療経過〕
中国で癌に用いられている生薬「半枝蓮(キキョウ科)・白花蛇舌草(アカネ科)・霊芝(サルノコシカケ科)」と「雲南白薬」を投与。
また補中益気湯、真武湯も用い、さらに現代医学の免疫療法剤ピシバニールの経口投与を併用しました。
その結果、二日後から寝汗や下痢が減り、患者は笑顔を見せるようになり、食事も進んできました。
さらに一週間後には寝汗、下痢が止まり、三週目には元気に歩き回るという回復ぶりです。
「もう自分は死んだことになっている」などと笑って冗談をいうほどでした。
入院四カ月以上過ぎ、周りから奇跡と言bれるほど元気になり、退院間近です。
漢方治療のメリットは、癌による痛みが経減され、本人、家族の苦痛が和らぐことです。
再発末期癌でも進行が抑えられる可能性もあり、病気と一種の平和共存状態ができるのです。
癌であっても「病は気から」です。食べられるうちは希望を捨てないことです。

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