処方名:啓脾湯
読み仮名:けいひとう
●本剤は、漢方の古典「万病回春」(まんびょうかいしゅん)(明代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●啓は開くの意であり、消化吸収機能に関わる脾の機能を開通させて、正常状態にするという薬効により名付けられました。脾(消化器)を啓く(力をつける)という意味で、脾胃の気虚に対する方剤です。
●消化不良症(小児の消化不良症)、慢性胃腸炎(慢性の水瀉性下痢)に使用します。
●脾胃が虚して、消化不良あるいは軟便、水様性下痢、食欲不振の著しい方に用います。
●胃腸の働きをよくして消化を助け、下痢を抑えます。胃腸の弱い方の消化不良や下痢、食欲不振などに適応します。
○冷え性でやせ型、体力のあまりない方に向く処方です。
○使用条件は証が『寒虚証』であることです。
【主治】
脾虚証(慢性下痢(泄瀉)・消化不良)/下痢(泄瀉)、軟便を伴う脾胃の気虚
●適応症:消化不良症、慢性胃腸炎、水瀉性下痢(泄瀉)、貧血症、ネフローゼ、胃腸虚弱
次の症状のいくつかある方は、啓脾湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
やせて、顔色が悪く、食欲がなく、下痢の傾向があるものの次の諸症:
胃腸虚弱、慢性胃腸炎、消化不良、下痢。
【成分】
啓脾湯の構成生薬は、胃腸によい下記の9種類です。無駄な水分を除去したり、下痢をおさえる生薬が多く含まれる点が特徴的です。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.75gを含有します。
日本薬局方 ソウジュツ(蒼朮)…4.0g
日本薬局方 ブクリョウ(茯苓)…4.0g
日本薬局方 サンヤク(山薬)…3.0g
日本薬局方 ニンジン(人参)…3.0g
日本薬局方 タクシャ(沢瀉)…2.0g
日本薬局方 チンピ(陳皮)…2.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…1.0g
レンニク(蓮肉)…3.0g
サンザシ(山査子)…2.0g