処方名:茵チン蒿湯
読み仮名:いんちんこうとう
【概要】
●肝炎、特に黄疸のある時によく用います。胸が苦しく、口が渇き、便秘して頭に汗をかくような場合に使用します。
●体力中等度以上の人で、口渇、尿量減少は比較的軽度で、便秘、心窩部の膨満感・不快感が著明な場合に用います。
●本方は、上腹部ないし胸部の炎症を去り、利尿をはかり、ついで黄疸を治すと言われております。
●黄疸の薬方として有名ですが、黄疸のあるなしに関わらず用います。この黄疸は食毒、水毒、熱毒(裏熱)によるものです。本方は「湿熱の黄疸」に対する代表処方です。
●本方の3剤は共に苦寒の剤であり、湿熱の邪を二便により排泄して病を解します。
●茵チン蒿湯は、漢方治療の著名な古典である「傷寒論」「金匿要略」を出典としており、古来より黄疸に賞用されております。本剤はこの茵?蒿湯の有効成分を抽出、濃縮したエキスをのみ易く、顆粒剤とし分包したものです。
●本方は3種類の生薬から成り、その主薬である茵?蒿の名をとって処方名とされました。
【主治】
肝胆湿熱特に黄疸(皮膚・目の黄染化)を呈する肝胆道系疾患(湿熱黄疸)
●適応症:黄疸、急性肝炎、慢性肝炎、胆のう炎、肝硬変、ネフローゼ、じんましん、口内炎、血清肝炎、カタル性黄疸、急性腎炎
次の症状のいくつかある方は、茵チン蒿湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
口渇があり、尿量少なく、便秘するものの次の諸症:
黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎。
【成分】
茵チン蒿湯の構成生薬は下記の3種類です。
黄疸の要薬とされる茵ちん蒿と山梔子、それと下剤の大黄です。便通をよくすることは、肝性脳症を防ぐことにもつながります。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.50gを含有する。
日本薬局方 サンシシ(山梔子)…3.0g
日本薬局方 ダイオウ(大黄)…1.0g
日本薬局方 インチンコウ(茵蔯蒿)…4.0g