処方名:四逆散
読み仮名:しぎゃくさん
●ツムラ四逆散エキス顆粒(医療用)は、このように胃腸機能が失調した状態にある方、あるいはおなかが痛んだり重くるしいといった方に用いられる漢方薬です。
●ためいきや、繰り返す深呼吸の方に。イライラによって、胃痛、腹痛、胸脇痛が発生する人によいです。鬱病(うつびょう)に効きます。
●現代はストレス社会ともいわれますが、日常の精神的な緊張などから胃やおなかがキリキリ痛んだり、胸腹部が重くるしくなる方が少なくありません。
●女性なら、生理前に「乳房が張って痛い」方に用いられます。
●四逆散は、非常に使用範囲が広い柴胡剤です。胸脇苦満(みずおち辺りから右わき腹にかけての抵抗感や圧痛)、腹直筋の緊張、膨満感だけでなく、不安、不眠、イライラなどの精神症状を改善し、急性または慢性の胃炎、胃潰瘍、胆嚢炎や胆石症、ノイローゼ、ヒステリーなど様々な病気や症状を改善します。
●本剤は、漢方の古典「傷寒論(しょうかんろん)」後漢時代収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●四逆とは四肢の厥冷(冷え)のことで、本方はその病態より名付けられました。
●ストレスにより胸脇部がつかえるが、便秘はない場合に用います。腹痛を伴う神経性胃炎、胆のうの病気などに使用します。
【主治】
肝鬱脾虚(抑鬱感・下痢(泄瀉)・冷え性)/疏肝剤の元祖(疏肝=肝の気を通す作用)/肝気鬱結
●適応症:胆石症、胃炎、鼻カタル、神経質、ヒステリー、インポテンツ、月経困難、胆のう炎、胃酸過多、胃潰瘍、気管支炎、胃痛、腹痛、肝炎、蓄膿症、血の道症、喘息、肋膜炎、腎炎、冠不全、狭心症、てんかん、高血圧、癇癪持ち
次の症状のいくつかある方は、四逆散が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
胸腹部に重くるしさがあるような場合の次の諸症:
胃炎、胃痛、腹痛。
【成分】
四逆散の構成生薬は、下記の4種類です。
炎症をしずめる柴胡、気分を落ち着ける枳実、痛みをやわらげる芍薬、緩和作用のある甘草などが配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.25gを含有します。
日本薬局方 サイコ(柴胡)…5.0g
日本薬局方 シャクヤク(芍薬)…4.0g
日本薬局方 キジツ(枳実)…2.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…1.5g