処方名:桂枝加竜骨牡蛎湯
読み仮名:けいしかりゅうぼつれいとう
●ツムラ桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)は、腹力のない虚弱体質者の次の諸症
1)神経性心悸亢進症・不眠症
2)精力減退・陰萎・遺精
3)小児夜驚症
ただし、顔色はあまりすぐれず、臍部(せいぶ)に動悸を触れることを目標とします。
●古来より虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの神経質、不眠症、小児夜泣きなどに賞用されます。
●本方は、桂枝湯に竜骨と牡蛎を加えた薬方で、桂枝湯証(虚証)に神経症状、動悸逆上などの加わった例によく用いられます。
●腎虚による気血不足の症候を治します。
●同じ精神安定剤の柴胡加竜骨牡蛎湯とは反対に、もともと体質や気質が虚弱なタイプ、または何らかの影響で虚弱になってしまった方に用います。ノイローゼや不眠症、慢性的神経衰弱などを改善し、気持ちを悲観的な状態から肯定的な状態にまで変えることのできる妙薬です。
●本剤は、漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)後漢時代収載の処方に基づいて作られたエキスを飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方は気・血の薬である桂枝湯に竜骨と牡蠣を加味した処方で、処方名はこれに由来します。
●比較的燥証向きの方剤構成なので、胃内停水などはないのを通常とします。
【主治】
心気虚・心陽虚による虚寒性不眠・動悸・夜尿/腎陽虚で腎気不固が著しいもの標治法
●適応症:自律神経失調症、神経質、不眠症、小児夜泣き、小児夜尿症、眼精疲労、神経衰弱、ノイローゼ、心身症、性的神経衰弱、遺精、陰萎、心悸亢進、脱毛症、眼精疲労、早漏、夢精、チック症、灸あたり、性ホルモン剤の乱用によるのぼせ症、ヒステリー
次の症状のいくつかある方は、桂枝加竜骨牡蛎湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
体質の虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの次の諸症:
神経質、不眠症、小児夜泣き、小児夜尿症、眼精疲労、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎。
【成分】
桂枝加竜骨牡蛎湯は、主薬の桂枝(桂皮)をはじめ、下記の7種類の生薬からなります。
おだやかな発汗・発散作用のある桂皮、気分を落ち着ける竜骨と牡蛎、痛みをやわらげる芍薬、体をあたためる生姜、緩和作用のある甘草などが配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.25gを含有します。
日本薬局方 ケイヒ(桂皮)…4.0g
日本薬局方 シャクヤク(芍薬)…4.0g
日本薬局方 タイソウ(大棗)…4.0g
日本薬局方 ボレイ(牡蛎)…3.0g
日本薬局方 リュウコツ(竜骨)…3.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…2.0g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.5g