処方名:柴陥湯
読み仮名:さいかんとう
【概要】
●気管、肺、胸膜などの炎症で半表半裏証を呈する方に用います。
●肋膜炎・気管支炎・膿胸などで、胸が苦しく、咳を伴う方に使用します。胸の炎症や痛みをやわらげ、咳をしずめる働きをします。
●昔から乾性肋膜炎に必ず効くといわれた名薬です。
○体力が中くらいの方で、咳がひどく、胸苦しさや胸痛をともなうときに向きます。 ×顔色が悪く、体力の著しく衰えた方は禁忌(きんき)(服用を避ける)です。
●本方は小柴胡湯と小陥胸湯の合方であり、両方の処方から1文字ずつとって名付られました。
●胸の炎症や痛みをやわらげ、咳をしずめる働きをします。体力が中くらいの人で、咳がひどく、胸苦しさや胸痛をともなうときに向きます。
【主治】
慢性気管支炎・気管支喘息
●適応症:咳、咳による胸痛、気管支炎、咽喉炎、肋膜炎の胸痛、気管支喘息、肺炎、肋膜炎、膿胸、胃酸過多症、胆石症、肋間神経痛
次の症状のいくつかある方は、柴陥湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
咳、咳による胸痛。
【成分】
柴陥湯の構成生薬は、下記の9種類です。柴胡と黄ごん、黄連の組み合わせにより、炎症をしずめる効果が高まります。半夏は、胸のつかえ感や吐き気をおさえる生薬です。そのほか、鎮咳・去痰作用のあるか楼仁、滋養作用の人参、炎症や痛みを緩和する甘草などが配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.00gを含有します。
日本薬局方 サイコ(柴胡)…5.0g
日本薬局方 ハンゲ(半夏)…5.0g
日本薬局方 オウゴン(黄ごん)…3.0g
日本薬局方 タイソウ(大棗)…3.0g
日本薬局方 ニンジン(人參)…2.0g
日本薬局方 オウレン(黄連)…1.5g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…1.5g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.0g
カロニン(か楼仁)…3.0g