処方名:当帰建中湯
読み仮名:とうきけんちゅうとう
●体をあたため、痛みをやわらげる作用があります。また、血行をよくして貧血症状を改善します。
●血虚がはなはだしく、腹痛をともなう方に使用します。
●特に産後の衰弱や、栄養の悪い月経困難症に適応します。
●下腹痛、腰痛、月経痛のある方に用います。
●本剤は、漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)(後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方は体力虚弱で、脾胃(消化器系)の強壮でないものに用いられます。建中の‘建’は建立、‘中’は中焦つまり脾胃などの消化器系を指し、建中とは胃腸の働きを盛んにするという意味です。小建中湯の膠飴を去り、当帰を加えたことから、当帰建中湯と名付けられました。また、大虚のときは膠飴を加える場合があります。
【主治】
月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み
●適応症:産後の衰弱、月経困難症、月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み、坐骨神経痛、潰瘍、慢性虫垂炎
次の症状のいくつかある方は、当帰建中湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
疲労しやすく、血色のすぐれないものの次の諸症:
月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み。
【成分】
当帰建中湯の構成生薬は、下記の6種類です。当帰には、血行をよくして貧血症状を改善し、体をあたためる作用があります。桂皮と芍薬は痛みをとる代表的な生薬です。そのほか、体をあたためる生姜、緩和作用のある甘草などが配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75gを含有する。
日本薬局方 シャクヤク(芍薬) 5.0g
日本薬局方 ケイヒ(桂皮) 4.0g
日本薬局方 タイソウ(大棗) 4.0g
日本薬局方 トウキ(当帰) 4.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草) 2.0g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜) 1.0g