処方名:防已黄耆湯
読み仮名:ぼういおうぎとう
【概要】
●水太り、関節痛の漢方薬です。汗かきで、からだやヒザが重だるい人。汗かきでむくみやすく、からだが重だるい人。膝関節炎や水太りにも多用されます。
●ツムラ防巳黄耆湯エキス顆粒(医療用)が適応する方は一般に色白で筋肉にしまりのない、いわゆる水太りで、汗のかきやすい傾向があります。防巳黄耆湯は、体表(皮膚や関節)を強化し、過剰の発汗を抑えて水分代謝をよくし、下半身の浮腫(ふしゅ)などをとり、重だるい身体を軽く感じさせる働きをします。このことは、運動しやすい身体の状態をつくることにも通じ、肥満の改善に役立ちます。
●また、膝関節の腫れ(はれ)や痛みを取るのに効果があります。
●漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)(後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方は6種類の生薬から成り、主薬である防已、黄耆の名をとって方剤名とされました。
●「汗かきで、からだやヒザが重だるい人」をポイントに、
1)色白で体内の水分の多い肥満、むくみ、汗をかきやすい等に用います。
2)重だるく痛む関節炎の改善に用います。
●熱症、便秘傾向、脂肪太りの肥満には、防風通聖散を用いてください。
【主治】
気虚型浮腫(むくみ)
●適応症:多汗傾向のある腎炎、ネフローゼ、妊娠浮腫、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、皮膚炎、多汗症、月経不順、癰、せつ、筋炎、変形性膝関節炎、蕁麻疹、わきが、関節リウマチ、膝関節炎、足関節炎
次の症状のいくつかある方は、防已黄耆湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
色白で疲れやすく、汗のかきやすい傾向のある次の諸症:肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、関節痛、むくみ
【成分】
防已黄耆湯の構成生薬は、下記の6種類です。
主薬の防已は、体の水分循環をよくして余分な水分を取り去るとともに、痛みを発散して治します。
蒼朮も水分循環をよくする生薬で、防已の作用を助けます。
もう一つの主薬黄耆には、滋養強壮作用のほか汗を調節する作用があるといわれます。
さらにこれに、胃腸によい生姜と、緩和作用の大棗および甘草が加わります。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75gを含有します。
・日本薬局方 オウギ(黄耆)…5.0g
・日本薬局方 ボウイ(防已)…5.0g
・日本薬局方 ソウジュツ(蒼朮)…3.0g
・日本薬局方 タイソウ(大棗)…3.0g
・日本薬局方 カンゾウ(甘草)…1.5g
・日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.0g