処方名:茵チン五苓散
読み仮名:いんちんごれいさん
【概要】
●五苓散に茵チン蒿を加味した処方です。
●五苓散の証に肝障害・肝炎あるいは黄疸のある方に用いられます。脾胃湿熱による黄疸の代表方剤です。
●じんましんに使用して、しばしば有効です。
●吐き気や嘔吐、じん麻疹、むくみ、などの症状を改善します。肝臓病や黄疸をともなうときにも適します。
○体力が中くらいの人で、口が渇き、尿量が少なく、水分が停滞しているときに向きます。
○胸脇苦満の著しくない虚証の方を対象とします。
●本剤は、漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)(後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです
【主治】
黄疸(皮膚・目の黄染化)と浮腫(むくみ)を呈する肝疾患(湿熱黄疸で湿が熱より重い場合)
●適応症:嘔吐、じんま疹、二日酔いのむかつき、むくみ、黄疸、肝炎、ネフローゼ症候群、腎炎の浮腫、腹水
次の症状のいくつかある方は、茵チン五苓散が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
のどが渇いて、尿が少ないものの次の諸症:嘔吐、じんましん、二日酔いのむかつき、むくみ
【成分】
茵チン五苓散の構成生薬は下記の6種類です。黄疸の聖薬とされる茵ちん蒿のほか、余分な水分を取り除く生薬がいろいろと配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.75gを含有します。
日本薬局方 タクシャ(沢瀉)…6.0g
日本薬局方 ソウジュツ(蒼朮)4.5g
日本薬局方 チョレイ(猪苓)4.5g
日本薬局方 ブクリョウ(茯苓)4.5g
日本薬局方 ケイヒ(桂皮)2.5g
日本薬局方 インチンコウ(茵チン蒿)4.0g