処方名:真武湯
読み仮名:しんぶとう
【概要】
顔色が悪く手足の冷える虚弱体質者の慢性下痢、特に水瀉性下痢に!
●身体、四肢の冷えが強く、体力が虚弱化し、新陳代謝が低下し、下痢(水様泡末)、めまい、息切れなどがある場合に用いられます。
●胃腸虚弱症、下痢、神経衰弱、メニエル症候群、病後・術後の体力回復などに応用されます。
●体力虚弱で、冷感、下痢、腹痛、めまい、心悸亢進など陽虚水泛を呈する場合に用います。
●新陳代謝の沈衰している時によく用いられます。
●本方は寒湿水気を散らし、陽気を益す働きをします。
×附子を含む他漢方薬といっしょに飲む場合は、その重複に注意が必要です。
●本剤は、漢方の古典「傷寒論」(しょうかんろん)(後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方はもともと玄武湯と呼ばれていましたが、宋の皇帝の名を避けて真武湯と改称されました。玄武は中国の神話に出てくる四神の1つで、北方の守護神といわれます。五行説で北は水に属し、臓器は腎・膀胱が配当されます。本方はこれに関連する疾患を主治します。また水の色は黒に配当され、主薬の附子の色がこれを象徴するともいいます。
●全体として、腎気が内に虚し、水を制禦することができなくなった時の方剤です。
●虚弱体質者で、熱感なく悪寒のみの風邪で、下痢を伴う場合は良く効きます。
●その他、虚弱体質者の腎疾患・心疾患で、尿量減少の場合にも良く効きます。
【主治】
腎陽虚性(重度な冷え)・浮腫(むくみ)/腎虚水泛が著しい/脾腎陽虚
●適応症:胃腸疾患、胃腸虚弱症、慢性腸炎、消化不良、胃アトニー症、胃下垂症、ネフローゼ、腹膜炎、脳溢血、脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、神経衰弱、高血圧症、心臓弁膜症・心不全で心悸亢進、半身不随、リウマチ、老人性掻痒症、慢性下痢(泄瀉)、低血圧症、慢性腎炎、風邪、慢性腸カタル、メニエール症候群、アテトーゼ、眼球振盪症、老人・虚弱者・衰弱者の感冒、肺炎、萎縮腎、小児自家中毒。
次の症状のいくつかある方は、真武湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
新陳代謝の沈衰しているものの次の諸症:
胃腸疾患、胃腸虚弱症、慢性腸炎、消化不良、胃アトニー症、胃下垂症、ネフローゼ、腹膜炎、脳溢血、脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、神経衰弱、高血圧症、心臓弁膜症・心不全で心悸亢進、半身不随、リウマチ、老人性掻痒症
【成分】
真武湯の構成生薬は下記の5種類です。
主薬の附子は熱性の代表的な生薬で、体をあたためて痛みをとり、また水分循環を改善します。
そのほか、余分な水分を取り除く茯苓と蒼朮、痛みをやわらげる芍薬、健胃作用のある生姜などが配合されています。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75gを含有します。
日本薬局方 ブクリョウ(茯苓)…4.0g
日本薬局方 シャクヤク(芍薬)…3.0g
日本薬局方 ソウジュツ(蒼朮)…3.0g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.5g
修治ブシ末(修治附子末)…0.5g