処方名:竹ジョ温胆湯
読み仮名:ちくじょうんたんとう
●比較的体力の低下した方で咳や痰、不眠などを訴え、精神不安、心悸亢進を伴う痰熱上擾に用います。
1)胃アトニー体質者の不眠・神経症
2)呼吸器疾患で熱が長引き、咳・痰がとれず、イライラして眠れないような場合
●本剤は、漢方の古典「万病回春」明代収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方は『千金方』あるいは『三因方』に収載されている温胆湯を基礎として、キョウ延賢が創製したものです。これらの温胆湯は胆寒、胆虚寒による症状とされる驚きやすい、動悸がするなどを目標に用いられていることからこの名があります。したがって本方はその主薬である竹じょとその薬効に基づいて名付けられました。
【主治】
肝胃不和(鬱症・胃腸障害・痰が多い)
●適応症:感冒、インフルエンザ、気管支炎、不眠症、肺炎などの回復期に熱が長引いたり、また平熱になっても気分がさっぱりせず、咳や痰が多くて安眠できないもの。
次の症状のいくつかある方は、竹ジョ温胆湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
胃アトニー体質者の不眠・神経症、呼吸器疾患で熱が長引き、咳・痰がとれず、イライラして眠れないような場合
【成分】
竹ジョ温胆湯は、方剤名の竹じょをはじめ下記のようなたくさんの生薬からなります。
主薬の竹じょは降性の生薬で、熱や咳、吐き気、あるいは神経の高ぶりを降下し鎮める作用があるといわれます。言いかえれば、解熱作用、鎮咳作用、鎮吐作用、鎮静作用などが期待できるわけです。半夏と枳実も降性で、主薬の作用を引き出し補強します。麦門冬、桔梗、陳皮は、漢方の代表的な去痰薬で、痰や膿を出しやすくします。そのほか、熱や炎症をさます柴胡や黄連、滋養・強壮作用の人参、痛みを発散させる香附子などが含まれます。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75gを含有します。
日本薬局方 ハンゲ(半夏)…5.0g
日本薬局方 サイコ(柴胡)…3.0g
日本薬局方 バクモンドウ(麦門冬)…3.0g
日本薬局方 ブクリョウ(茯苓)…3.0g
日本薬局方 キキョウ(桔梗)…2.0g
日本薬局方 キジツ(枳実)…2.0g
日本薬局方 コウブシ(香附子)…2.0g
日本薬局方 チンピ(陳皮)…2.0g
日本薬局方 オウレン(黄連)…1.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…1.0g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.0g
日本薬局方 ニンジン(人参)…1.0g
チクジョ(竹ジョ)…3.0g