処方名:黄耆建中湯
読み仮名:おうぎけんちゅうとう
●病後の衰弱を回復するためにご利用ください。回復を期待しています。
●黄耆の特性を利用して、痔瘻、膿瘍、消化性潰瘍、皮膚潰瘍、アレルギー性鼻炎、慢性中耳炎等に用います。
●虚労裏急に用いられる小建中湯に黄耆を加えた方剤です。小建中湯証に加え、一段と表裏共に虚し、自汗、息切れ、疲れ易さなどの気虚の症状が著しい場合に使用して下さい。
●あるいは、虚証で化膿や皮膚損傷、潰瘍などがある場合に使用して下さい。
●ことに盗汗(ねあせ)をかくような虚弱児には、小建中湯より好適です。
●本剤は、漢方の古典「金匱要略」(きんきようりゃく)後漢時代収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●本方は体力虚弱で、脾胃(消化器系)が強壮でないものに用いられます。
建中の‘建’は建立、‘中’は中焦つまり消化器系を指し、その作用を改善、正常化するという意味と主薬の黄耆より名付けられました。
【主治】
脾陽虚証の慢性消化器病
●適応症:児童の虚弱体質、病後の衰弱、夜尿症、夜泣症、軽度の慢性腹膜炎、盗汗(ねあせ)、慢性中耳炎、痔、カリエス、アレルギー性鼻炎、皮膚潰瘍、慢性中耳炎。
次の症状のいくつかある方は、黄耆建中湯が良く効く可能性が大きいです。
【効能・効果】
身体虚弱で疲労しやすいものの次の諸症:
虚弱体質、病後の衰弱、ねあせ。
【成分】
黄耆建中湯の構成生薬は、下記の6種類です。
主薬の黄耆には、栄養状態をよくし汗を調節する作用があると言われます。
桂皮など胃腸の働きをよくする生薬も配合されています。そのほか、膠飴(麦芽糖)と呼ばれるあめもたくさん入っていて、これも栄養分の補給になります。
本品18.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.75gと粉末飴10.0gを含有する。
日本薬局方 シャクヤク(芍薬)…6.0g
日本薬局方 オウギ(黄耆)…4.0g
日本薬局方 ケイヒ(桂皮)…4.0g
日本薬局方 タイソウ(大棗)…4.0g
日本薬局方 カンゾウ(甘草)…2.0g
日本薬局方 ショウキョウ(生姜)…1.0g
粉末飴…10.0g